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壁打ちブログ 基本的にネタバレに配慮していません

そしてRe:valeはうたい続ける

アイドリッシュセブンTVアニメ2期EDのフルが配信解禁された。タイトルは『ミライノーツを奏でて』。私がだいすきなアイドル、Re:valeの曲だ。

わたしはオタクではないので考察や深読みが得意ではないし、絵も字も書けずこの衝動のぶつけどころがわからないけど、せめて感じたことをここに記しておきたい。

 

はじめに

  • この4月にアニメ1期から入りメインストーリー最新話まで一気読みしたアイドリッシュセブンの初心者による記事
  • ラビチャをなどをすべて網羅していません
  • メインストーリーのネタバレがあります
  • 歌詞はすべて耳コピなので不正確です
  • ユキモモに対してカップリング思考があります
  • 別のアイドルの話もちょっとだけしてます

以上の点を踏まえてこの先を読んでください。

 

考察とかではなくただの感想

TVアニメ2期はメインストーリーの第2部を読んでから見始めたけれど、第2話で初めてあのEDを観たときはもうこの世の言葉で表せない気持ちになっていた。わたしはRe:valeがほんとうにすきでアニメ2期でこの二人が観れることが楽しみという気持ちがあった一方で、第2部ってモモちゃんが苦しんでいる場面が多かったのでゲームで感じたつらさをアニメで追体験するかと思うとそれはそれでしんどいな・・・という気持ちも大きかった(と言いつつ観るけど)。でもあのED、「ずっとそばにいてほしい」と歌うユキとそれに宇宙一可愛い飛びきりの笑顔で応えるモモちゃん、これが2部を経て作られた曲ならば、受難を経てふたりがたどり着いた曲がこれならば、アニメを安心して観られると思った。

そしてこの曲のフルバージョンに想いを馳せていたわけだが、公開された曲でRe:valeはわたしの想像の遥か先にいた。愛を知るアイドルは強くて無敵だ。

 

 

 

ユキの絶望と希望

1番では万理さんが去ったあと、ユキとモモがRe:valeを再スタートするまでのことを歌っているように聞こえる。特にすきだったフレーズはここだ。

千)現実の乱反射に 瞳閉じたくても

これはユキのパートだけど、“現実の乱反射”という表現がとてもすきだ。自分のせいで万理さんが傷を負ったこと、そのあと万理さんがいなくなってしまったこと、それでも心の底では曲を作りたい、うたを歌いたいんだという気持ちもあって、それらが全部目の前に迫ってきて混乱していたのだと思う。だから最初はモモの「Re:valeを続けてほしい」という願いにも耳を貸さなかった。というかそんなことを考える余裕がなかったんだと思う。ほら、人間って考えるべきことが多すぎるとそれがいいことでも悪いことでも全部投げ出したくなるときあるじゃん?ない?わたしはある。

だけど、失意のユキにとって拒絶されても目の前にしつこく現れつづけたモモは次第に希望になっていった。なっていったというか最初から希望だったけれどそうであることにだんだん気づいていったという方が正しい気がする。

この絶望と希望がごちゃごちゃにやってきたときのユキの気持ちを“現実の乱反射”というフレーズを使って表現しているのがもう・・・たったこれだけの歌詞できれいな情景がありありと目に浮かんでくる。あまりにもすき・・・・

 

そしてサビはRe:vale再出発当時のユキのきもちなんじゃないか。あんな失意の底にいたのにモモちゃんが救い上げてくれたんですね・・・音楽というファンタジアをユキは再び織りなすことができたのだ(ここでRe:memberの貧乏同棲生活を思い出して泣く)。

 

ずっとユキの隣で歌いたいというモモの願い

2番はモモちゃんの葛藤とそれを乗り越えた後のふたり、まさにメインストーリー2部のRe:valeのように思える。

百)大袈裟な夢に気後れして でも目指さずにはいられなくて
千)もし全能の誰かだったら?なんてひどい想像はリライトして

Re:member 3巻あたりでモモちゃんはRe:valeとして人気を確立しつつも、お姉さんから浴びせられた本音、古参Re:valeファンからの視線、そして「5年だけで良いから」というユキとの約束がいつも頭の片隅にあって、どこか刹那的な生き方をしていた。自分はどんなに傷ついてもいいから、とにかく万理さんが帰ってくるまでユキを、Re:valeを守るんだという自己犠牲的な考えをしていた。一方で、自分がずっとユキの隣にいたいという欲望もあった。モモちゃんは矛盾した気持ちを抱えてずっと苦しんでいたのだ。

ユキはモモとの貧乏同棲時代、作曲に苦しんでいた(ユキは音楽しかできないし、音楽の天才ではあるがそれこそ神様のようにするすると作曲できるわけではない。それは今も変わっていない)。でも、自分のあの狭いアパートでユキが作った曲を歌って涙を流すモモちゃんに笑顔の意味を教わったのだ。そしてユキは誓ったのだ。「僕は音楽の神様なんかじゃない、けれど、モモと歌うために曲を生み出し続けるのだ」と。

 

そして続くサビ。

&)何百兆の夜空に溶け込んでしまう前に
  こぼれだしたモノローグすべて
  抱いてくれたシャングリ・ラ
  弱音も大切に
百)今日の音と呼んでもいいんだね

単純に言葉選びが美しくて、きれいな夜空に浮遊するしあわせそうな二人の姿が目に浮かぶ。このサビ本当にすきだ。2部でモモちゃんは「自分はバンさんの存在に勝てない」みたいなことを言いますが、ユキはきちんとモモちゃんの愛情をこぼさずに受け取っていて、そしてモモちゃんがユキを想うのと同じくらい、あるいはそれ以上に大切に想っているのだ。そしてそのことに気が付けたモモちゃんはようやく「万理さんには勝てない」という憧れと嫉妬、そして「ユキの隣で歌い続けたい」という自分の中にある矛盾した感情を受け止めることができたんだなとわかる。その上でユキの隣にいることを自ら選択したのだ。ユキの想いと自らの強さで、モモちゃんは自分の歌声を取り戻したのだ。たった1つのサビにすべてが詰まっている。

 

そしてRe:valeはうたい続ける

百)この歌のステッキ 次ははどんなふうに振ろう
  見つめられたら答えあげたい
千)自分にしかなれない それでいいんだと
百)いちばん先で
千)まだない明日で
&)ミライノーツ奏でよう

 

・・・結婚式の誓いの言葉か?

 

Re:memberを読むとよくわかるのだけど、ユキにとって万理さんはあまりにも大切で大きな存在で、失った悲しみや痛みは深かった。そしてユキは音楽を作る天才だけどそれは決して簡単にメロディーを生み出せるという意味ではない。モモちゃんの「見つめられたら答えてあげたい」はきっとこの先ユキが迷ってもいつだってモモちゃんがその道標になってあげるということだ。モモちゃんという夜空に煌めくたったひとつの星があるかぎり、ユキは迷いながらも前に進み続けることができる。モモちゃんが隣で笑ってくれるだけで大丈夫になる。そんなふたりの未来が完全に見える。

ユキの「自分にしかなれない それでいいんだ」もまた、人間としては拙いけれど、この先傷つくことがあってもモモと一緒のRe:valeを続けていくよ、モモを絶対に諦めたりしないよ、というユキの決意だ。

 

そして大サビ。1番と2番は完全にユキ↔︎モモちゃんの感情や想いのぶつけ合いだったのだけれど、最後だけはユキとモモちゃんからの万理さんへのメッセージのように聞こえる。

&)そうさいつだって いつだって世界を飾り付けるぼくら
  一人一人に意味があるんだよ
  そう、伝えるファンタジア 織りなす勇気を
  くれた君にずっと側にいてほしい
  
  ずっとずっと声を聞いて

 

1番のサビの「織りなす勇気をくれた君」はユキにとってのモモちゃんだったけれど、ここでな「織りなす勇気をくれた君」は「ユキのために、そしてユキを信じて黙って去って行った万理さん」のことであり、また「モモの苦しみを理解し、あのときモモの頭を撫でた万理さん」のことだ。今のRe:valeに音楽、そしてアイドルというファンタジアを織りなす勇気をくれたのは間違いなく万理さんなのだ。

 

ユキとモモちゃんが「ずっとずっと声を聞いて」と願う相手はお互いでありながら、万理さんのことでもあるのだ。

 

 

こんなの、桃の花びら舞うなかで優しく微笑む万理さんの姿が瞳に浮かんでしまう。

 

 

ユキモモのRe:valeも、バンユキのRe:valeも、3人のRe:valeも全部すきで、だけど今とこれからのRe:valeは間違いなくユキとモモのことで・・・・Re:valeが愛ではないならもうわたしはこの世で愛と呼ばれるものをいっこも信じられん。そんなふたりだし、そんな三人なのだ。そしてこの1曲のなかでそれをすべて感じてしまった。すごい曲だ。

 

 

もしマネージャーでなければ

この曲のすごいところは、これだけRe:valeの私的な想いが込められた詩でありながら、アイドル↔︎ファンの対話とも取れるところだと思う。

わたしはIDOLiSH7のマネージャーという立場でRe:valeの事情を知っているからここまでの感想で述べたような気持ちになったけれど、もしわたしがゲームをプレイしていないただのファンだとしたら?そしたらたぶん「ずっとそばにいてほしい君」はRe:valeを応援するファンのことを歌っているように聞こえただろうし、2番のBメロなどまるでファンと時間を共にするライブが終わるのを惜しんでいるようにも取れる。

 

 

さいごに

わたしは音楽を聞くとき圧倒的に歌詞を読む派です。メロディがあんまりピンと来なくても歌詞を見てからその曲を好きになる、ということが良くある。ちなみにうたプリは例外、完全にメロディで好きになっている、歌詞はあんまり聞いていない。うたプリうたプリなので・・・(はい?)

とはいえ『ミライノーツを奏でて』の場合は冒頭のピアノのポロロンという音でもう耳の奥がきゅっとして目の奥の涙腺が緩んだ。

そして絵日記みたいなわかりやすい歌詞というよりも、さまざまに解釈可能な余白のある歌詞がすきです。というか歌詞に限らず創作物の余白が好き。余白を想像するところにその人の個性が見えるから。(だからときどき見かける”解釈違い”というのがよくわからない・・・)

だから今回この曲の歌詞を聞いて今のわたしはこう感じたけれど、人それぞれ抱いた感情は違うだろうし、それを大事にしてほしい。そして未来の自分がこの曲を聞いたら、ぜんぜん違うことを思うかもしれない。どのときに感じた気持ちも愛おしく思いたい。そしてどんな時でもユキとモモにはしあわせでいてほしい。結局そこ。

 

最後の方、何目線ですかという感じになってしまったけれど、とにかく『ミライノーツを奏でて』を聞いてだいすきなアイドル、Re:valeへの想いが溢れて溢れて止まらない。

今も聞きながらこれ書いてるけど、あの白い衣装で星がいっぱいの夜空を浮遊して旅しながら夜と朝の間の一瞬の景色を見つめようと待つ二人の姿が目に浮かぶ。

 

葬式mix(自分の葬式でかけてほしい曲を集めた狂ったプレイリスト)に追加しておこう。

 

おわり

 

 

2020/6/5 誤字修正しました。